【歌ってみたMIX】ボーカルの基本的なコンプレッサー設定 | MIXメモ

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つつい

はじめまして。MIX師のつついです。

MIXメモは管理人の つつい が今までのMIX経験から得た知識をまとめたものです。

この記事ではコンプレッサーについての説明と基本的な設定を紹介します。

この記事の内容
  • コンプレッサーとは
  • ボーカルコンプの設定

コンプレッサーとは

コンプレッサーとは音を圧縮するエフェクターです。

上:コンプなしの波形 下:コンプありの波形

小さい音はそのままに、大きい音を圧縮して小さくすることで音量を整えてくれます。

ボーカルの音量が整うと、カラオケに馴染みやすくまとまりのあるMIXになります。

コンプを使う理由

つついの場合は主に3つの目的のために使っています。

  • 音量を整える
  • 音色/雰囲気を変化させる
  • メインボーカルを邪魔しないハモリの音作り

音量を整えるならコンプを使わなくてもボリュームオートメーションを書けば一緒じゃない?

音量を整えるだけであれば、効果的にはほぼ一緒です。

が、いちいちオートメーションを書くのは面倒だし、単純に音量を上げ下げするボリュームオートメーション音を圧縮して小さくするコンプでは音色が違うのです。

音量を整えるだけでなく、音色の変化が欲しい時にも使います。

またコンプの設定を使い分けることによって、存在感はありつつ、メインを邪魔しないハモリの音作りができます。

コンプの各種設定

コンプには設定する項目がたくさんあります。

初心者のうちは一つ一つの意味がよくわからず設定に困ることが多いかと思います。

各所の名前と説明を表にまとめてみました。

コンプレッサー
かんたん説明しっかり説明
スレッショルド
(Threshold)
コンプがかかる基準の音量スレッショルドで決めた音量を超える音を圧縮する。
値が大きい:かかりが甘い
値が小さい:ガッツリ圧縮
レシオ
(Ratio)
どれくらい圧縮するかスレッショルドを超えた音量を圧縮する比率。
「2:1」や「4:1」というふうに表される。
左の数字が大きくなるほど強く圧縮される。
アタック
(Attack)
コンプのかかりの早さスレッショルドを超えてから、レシオで決めた比率まで圧縮し終わるまでの時間。
設定した時間が短いほど速く圧縮される。
リリース
(Release)
圧縮をやめる長さスレッショルドを下回ってから、元の音量に戻るまでの時間。
時間が短い:速く元の音量に戻る
=変化が急
時間が長い:元音量に戻るのが長い
=緩やかに変化
ゲイン
(Gain)
最終的な出力レベルの調整コンプは大きい音を圧縮する分、最終的に全体の音量が下がってしまうのでゲインでコンプをかける前の音量と同じくらいに調整する。
(しなくて大丈夫なときもある)
ニー
(Knee)
コンプのかかりスレッショルドを境にコンプのかかりがはっきりしてしまうのを防ぐためにスレッショルド近辺に緩やかなコンプをかける。
値が小さいほど極端にかかり、値が大きいほど緩やかにかかる。
ゲインリダクション
(Gain Reduction)
GRと表記される
どれだけコンプがかかっているかを表す
スレッショルドを超えてから何dB圧縮されているかを確認できる。
目視で確認できるようになっているものが多い

ボーカルコンプの基本設定

私がよく使うボーカルのコンプ設定はこんな感じです。

レシオ2:1〜 4:1優しい曲ほど左の値を小さく
アタック3ms〜10ms激しい曲, 速い曲=短く
リリース50ms〜100ms激しい曲, 速い曲=短く
スレッショルド-18〜-20dB大きい音がかかるくらい
聴いて良い感じになるところ
ゲインリダクション平均3dB最大でも6dB触れるくらい

この設定で大体音量感やアタック感が整います。

もっと変化させたいときやパンチの効いた音にしたいときには別のコンプを入れます。

おすすめコンプレッサー

私が良く使っている Waves の C1 compです。

かかり具合が良く音量を整えるのによく使います。

Renaissance Compressor(RCompressor)

音量感調整から音色変化まで使える優秀なコンプです。

暖かさや柔らかさを感じる音になります。

真ん中のメーターからコンプのかかり具合(GR)がわかるデザインになっています。
コンプの設定がわからなくてもこのメーターが平均-3dB, 最大-6dBに触れるくらいに調整すると良い感じになるので重宝しています。

この2つはWavesのGold Bundle(ゴールドバンドル)に入っています。
42以上のプラグインが収録されており、これ一つでMIXに必要なプラグインが揃うのでMIXを始めたい人はとりあえずこれを買っておけばOK!という感じのバンドルです。

JJP Vocals

コンプ, EQ, エフェクター(ディレイ/リバーブ等) を1つでこなす超優秀なプラグインです。

コンプはつまみをいじってかかり具合を調整するだけ。
よくわからない場合はデフォルト設定のままでも十分です。

真ん中の白いフェーダー5つはエフェクトの調整です。
ハイテンポな曲や楽器数の多い曲、ボカロ曲にはぴったりのプラグインです。

ただし、純粋なコンプではなくどちらかというとエフェクターなので音量調整用のコンプを一つ挟んで使用することをお勧めします。

まとめ

コンプは難しいエフェクトの一つですが、使いこなせるようになるとMIXの幅が広くなります。

今回紹介した設定方法が全ての曲に最適な設定とは限りません。
うまくいかないときは、まず項目を一つに絞って設定をいじってみるなど色々試してみてください。

今回の記事のまとめ
  • コンプは音量バランスを整えるエフェクター
  • 音色に変化をつけるためにも使う
  • コンプの基本設定
  • おすすめコンプレッサー

つつい流MIXテクニックですが、みなさんの参考になればうれしいです。

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